水屋旅館の再生の相談を受けた時、郡上八幡暮らしを始めてまだ一年程の時でした。

海外から訪れる方々や、若い日本の旅行者の方に、ゆっくり郡上暮らしを体験して頂きたい…との水屋のご家族の言葉から、私自身が郡上八幡で暮らし始めて驚いた事や、美しいと感じる生活文化を、移住者だからこそ伝えられるのでは…という想いで設計を担当させて頂きました。

新鮮な地元産の野菜を、水舟で泥を落として洗ったり、スイカを冷やして食べたり…

井戸を共同で清掃管理し、飲み水や漬物作りに利用したり…

踊りの時は、町のみんなで水路や川、町中の掃除を一斉に行って、観光客をおもてなししたり、踊りで知り合った人を泊めてあげたり…

挨拶や助け合い、思いやり。郡上八幡には古き良き日本の生活文化が今も息づいています。

その生活文化の元は、郡上八幡の町家暮らしだと感じます。お隣同士が近い暮らし。

ゲストハウスは、あらゆるものを共同で使いますので、まさに現代の町家・長屋暮らしが体験出来る宿です。

岐阜の誇る物づくり、美濃和紙や美濃焼の製品に触れて頂き、そして郡上八幡ならではの水を上手に使った暮らし方を、ぜひ体験して頂ければと設計をしました。

郡上八幡を訪れた方にゆっくり滞在して頂き、日本の四季折々の普段の暮らしを、郡上八幡ならではの暮らしを楽しんで頂ければ…と願っております。

 

スタジオ伝伝     藤沢百合

<プロフィール>

藤沢百合

株式会社スタジオ伝伝 代表

1975年 岡山県岡山市 生まれ

大学卒業後、東京の新築マンション分譲会社・設計事務所にて、不動産・建築設計を担当。

2014年、スタジオ伝伝設立。翌年より郡上八幡空き家対策プロジェクト「チームまちや」の活動に参加。

2017年、スタジオ伝伝郡上八幡スタジオオープン。

趣味が高じて、東京・郡上八幡の両スタジオに茶室を設置しました。お客様との一服のひと時を楽しみにしてます。

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